ひょうそ
- 2023年10月18日
- よくある皮膚病
ひょう疽とは指先に強い痛みを引き起こす細菌感染症です。
(症状)爪周囲炎と呼ばれるように,指の爪周囲の皮膚が赤く腫れあがり,爪の縁に沿って膿が溜まった膿瘍ができます。ドクドクと脈動を感じるような痛みがあります。
爪と肉の間は皮膚が弱くて感染に対する防御機能が弱いのですが,そこから黄色ブドウ球菌が感染してひょう疽になります。
(原因)主なきっかけ・原因というのは,サカムケを剥いたり,深爪をするなど不適切な爪切り,また子供さんの場合指しゃぶり,爪を噛む癖などがあります。成人の場合,水仕事で指先の手荒れ,職場の不潔な環境などもあるでしょう。
(治療)この病巣の中心に膿が溜まって膿瘍ができている時は,膿瘍を注射針で針切開して膿を出す処置を行います。この処置で皮膚感染がかなり収まると思います。
あとは抗生剤の内服外用で速やかに治癒します。痛みが強い時は痛み止めも併用します。
(陥入爪・肉芽腫について)このひょう疽は基本的には短期間で治る疾患だと思っています。ところが誤った爪切りがきっかけで爪の先がとがっていると皮膚に爪が刺さる陥入爪になって傷が治りにくくなる上,さらに赤い肉が盛り上がった肉芽腫という状態になります。この状態だと治りにくくなります。
肉芽腫を電気メスで切ったり液体窒素で凍結療法を行ったりするのですが,元に戻るのに時間がかかることがあります。
(普段のこころがけ)このように爪周囲の細菌感染症,特に陥入爪・肉芽腫はやっかいな病気です。赤木は爪を短くし過ぎないよう,爪切りをし過ぎないよう指導しています。