モデルナアーム
- 2023年7月20日
- 注目疾患
このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。
新型コロナワクチンのmRNAタイプには主にファイザー社製とモデルナ社製の2種類があります。どちらも注射して1~2日後に発熱,気分不快,体調不良などの副反応の症状がしばしば出ることがよく知られていますね。
それ以外に,皮膚の副反応として注射部位の皮膚が腫れてくることがあります。これも基本的に1~2日後に出現することが多いのですが,モデルナ社製のワクチンの場合約1週間後(資料では4~11日)に突然出ることがあります。しかも結構腫れがひどいのです。
これをモデルナアームと呼んでいます。ただし正式名称ではないです。また不思議なことにファイザー社製のワクチンではこの副反応はありません。原因もよくわかっていません。アメリカのデータでは1回目のモデルナ社製ワクチンでモデルナアームが出現する割合は0.8%,2回目のワクチンで出現する割合は0.2%で,結構まれといえばまれです。
ワクチン接種会場へ出務 |
まだ知らてれいない疾患なので,皮膚にばい菌の入った「蜂窩織炎」と間違われるケースがあるようです。ワクチンに対する副反応なので,抗アレルギー剤内服とステロイド外用剤塗布の治療方針で軽快します。
そしてこれが一番肝心なことですが,1回目のワクチンでモデルナアームを発症しても2回目のワクチンを打つことは充分可能です。
モデルナアームになったから2回目のワクチンが打てないということはありません。1回目にモデルナアームになったから2回目もモデルナアームになるとは限りません。実際1回目よりも2回目の方がモデルナアームになる確率は減ります。
また,これもあまり知られてないワクチンの副反応なのですが,ワクチンを接種した腕と同じ側の腋窩や首のリンパ節が腫れることがあります。2ヶ月くらい続くこともあるそうです。
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