『絆』
こんにちは。赤木皮膚科クリニック院長の赤木竜也です。今年(2023年)、当院を開業して15周年を迎えます。このように長く続けられましたのもひとえに地域の方々、またなにより私を頼って来院していただいた患者様の支えがあってこそと深く感謝しております。
私は姫路市出身ですが、高校卒業後姫路を離れ島根医科大学(現・島根大学医学部)に入学し、卒後も同大学の皮膚科医局、ならびに微生物学教室で臨床、研究に努めてまいりました。難治な症例を多数経験し、皮膚免疫について実験研究を繰り返し追及することに日時を費やしてきました。おかげさまで皮膚科専門医資格、博士号を取得し、さらにドイツキール大学に留学して多くの研鑽を積んでまいりました。
そして故郷姫路で地域医療に従事したい気持ちから2008年現在の白浜町で開業するに至りました。私の力の全てを地域医療に注ぐつもりで15年間頑張ってきたつもりだったのですが、最近それだけではないことに気づかされました。
「私が皆さまを助けているのではなく、皆さまに私が助けられてここまでやってこれたのだ。」ということが今更ながら分かってきたのです。
この3年間新型コロナウイルス感染症が流行し、人と人の関係が脆弱になってきました。私は島根県に住む旧友や周辺に住む開業医の同僚など、今までの話し相手と会えなくなってしまいました。私は孤独感に悩まされていました。そんな時、来院された患者様と何気ない会話をしたり、皮膚病について詳細なことを尋ねたり説明したり、そんなことが私の気持ちをずいぶんと和らげてくれました。新型コロナウイルス感染症は以前に比べ落ち着いてきたとはいえ油断ができず、またウクライナの戦争が起こって物価が上昇するなど先の見えない時代だからこそ、人と人とは支えあっていかなければいけないという思いが強くなってきました。一言で言えばタイトルの通り「絆」ということになります。
開業当時よりずいぶん年をとり、周囲の一つ一つの出来事に対し運命を感じて感謝する気持ちが大きくなってきました。まだまだ未熟ではありますが「皮膚病」をみるのではなく、患者様の「体」や「心」を大事にしていきたいと考えております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
2023年7月吉日
院長赤木 竜也